いつか振り返ったとき笑っていたい
私は今大学院の修士2年生だが、今年度いっぱい休学している。
(3月の今「今年度」と使うと少々ややこしいが)
休学理由は、まあ、よくあるように病気だ。
詳しい病名は伏せるが、病気になったことでだいぶ身体的にも精神的にも参ってしまった。
ただ、休学したことで、いくらか状態は安定している。多分。
そして新年度、4月から復学することになった。
復学するかはかなり迷ったが、親が「途中でやっぱり無理そうなら辞めてもいい」と言ってくれたので、また挑戦することにした。
本気で退学・就職を考えたこともあったが、研究が中途半端に終わってしまうのは確かに気持ち悪かった。
でも、心身がもつかも分からない。
そんな私にとって、無理そうなら辞めてもいい、というのは救いだ。
母だけでなく、厳しい父までそんなことを言ってくれたのは、正直驚きだったけれど。
そして復学にあたって、主指導教員と面談してきた。
面談とはいっても、カフェでちょっとお茶をするという程度のものだった。はずだったのだが、気づけば3時間もお時間を頂戴していた。
休学明けのこと、研究のこと、就職のことなど、悩んでいることをほぼ全て話し切ってしまった。
今回の休学に限らず、私は遠回りをしがちだ。
楽な道が確かにあるのに、逆方向に進んでしまう。
そして後になって後悔する。
その繰り返しである。
そんな自分がものすごく嫌だと、思わず先生に吐露してしまった。
涙が止まらなかった。
だが先生は、自らの休学経験を引き合いに出しながら、「遠回りをすることで見える景色がある。大丈夫。いつか振り返ったときにきっと笑えるはず。」と言ってくださった。
長時間拘束してしまったうえに、私の話は終始とりとめが無かったのではないかと思う。
先生は「今日は五十鈴さんの話を聞くために来ましたから!」と言ってくださったが、それでもお忙しい中申し訳なかった。
しかし、先生に悩みや不安をお話ししたことで、不安でしかなかった新年度が少しだけ楽しみになった。
途中で辞めてしまう可能性がある、ということも勿論お伝えした。
先生は、どんな選択をしても尊重すると言ってくださった。
全て受け止めてくださった先生には感謝しかない。
私もいつか、今を振り返って笑えるだろうか。
できることなら、そのとき笑っていたい。